2026年07月29日
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沖縄県内のRC造建物で、天井コンクリートの剥落と鉄筋腐食を確認した施工事例です。雨水と塩分の影響を調べ、劣化部の撤去から断面修復、防水までの工程を紹介します。

沖縄県内のRC造建物で、天井コンクリートの剥落と鉄筋腐食を補修した事例です。現地で確認した症状、考えられた原因、断面修復と再発防止の工程を写真とともに紹介します。
目次
コンクリート片の落下、さび汁、鉄筋の露出がある場合は、表面をモルタルで埋めるだけではなく、劣化範囲と水の浸入経路を調べる必要があります。鉄筋の腐食や断面欠損が進んでいる場合は、構造上の影響も含めた専門的な判断が必要です。
今回ご相談いただいたのは、沖縄県内にあるRC造建物です。「天井からコンクリート片が落ちてきた」とのご相談を受け、現地調査を行いました。
確認すると、天井の一部でコンクリートが剥落し、内部の鉄筋が広い範囲で露出していました。鉄筋には腐食が見られ、周囲にも浮きや劣化が残っている可能性があったため、見えている欠損部だけでなく周辺まで調べました。

写真では、かぶりコンクリートが失われ、複数の鉄筋が露出しています。この状態では残っているコンクリートにも浮きがないか確認し、落下防止を優先して安全範囲を確保する必要があります。
現地では、天井の上にある床面に細かなひび割れが確認されました。旧記事の調査記録では、そこから雨水が長期間浸入した可能性があると判断しています。
水分や酸素が鉄筋付近へ到達して腐食が進むと、生成したさびが周囲のコンクリートを押し、鉄筋に沿ったひび割れ、浮き、剥離、剥落につながることがあります。
この現場では、過去に設置されていた塩を使用する軟水機の破損履歴も確認されました。旧記事では、塩分を含む水が床面のひび割れから浸入し、鉄筋腐食を進めた可能性があると整理しています。
ただし、塩化物量の測定結果は旧記事に掲載されていません。そのため、新記事では「雨水と塩分が原因だった」と断定せず、機器の破損状況や水の流れを踏まえて考えられた要因として記載します。
落下したコンクリート片、天井の浮き、ひび割れ、さび汁、鉄筋の露出範囲を確認します。必要に応じて立入範囲を制限し、作業用足場を設置します。
打診などで確認した劣化部分をはつり取り、健全と判断できる範囲まで鉄筋周囲を露出させます。はつりは、残すコンクリートや鉄筋を不必要に傷つけないように行います。

はつり後に初めて見える腐食もあります。鉄筋の全周、背面、交差部まで確認し、補修範囲を決定します。
鉄筋表面のさびだけでなく、局部的な孔食や径の減少を確認します。断面欠損が大きい場合は、補強や交換の要否を個別に判断しなければなりません。
この工程は構造性能に関係する可能性があるため、鉄筋の径、配置、定着方法を確認し、必要に応じて設計者などの判断を受けます。
残す鉄筋は、施工仕様に従ってさびや付着物を除去し、防錆処理を行います。交換・追加する鉄筋がある場合は、径、材質、継手、定着長などを確認して施工します。
結束線は鉄筋を所定の位置に保持するために使用するもので、結束線そのものが構造耐力を確保するわけではありません。
下地処理後、施工方向や補修厚に適した断面修復材を充填し、既存面に合わせて左官仕上げを行います。使用量、1回の施工厚、練り混ぜ方法、施工間隔、養生期間は製品ごとに異なるため、メーカー仕様に従います。

写真では、はつり範囲が断面修復材で埋め戻されています。仕上げ後は所定の養生期間を確保し、ひび割れ、浮き、充填不足などがないか確認します。
断面修復だけでなく、雨水の浸入が考えられた上部床面にも防水処理を行いました。天井側は下地の状態を確認したうえで塗装し、補修部分を保護しています。

再発を抑えるには、剥落した下面だけでなく、水が入った側のひび割れや防水層、排水経路まで対応することが重要です。
RC造の鉄筋腐食は、見えている剥落部より広い範囲に進んでいる場合があります。コンクリート片の落下、さび汁、鉄筋に沿ったひび割れ、表面の浮きを見つけたら、真下へ近づかず、まず安全な位置から専門会社へ相談してください。
現地調査では、劣化部だけでなく、その上部や外部からの雨水浸入、配管・機器からの漏水、海塩粒子など、腐食を進めた要因を整理することが大切です。
今回の事例では、天井のコンクリート剥落と広範囲の鉄筋腐食を確認し、劣化部の除去、鉄筋処理、断面修復、上部床面の防水、塗装を行いました。同様の症状がある場合は、表面だけを塞がず、腐食範囲と水の浸入経路を調べましょう。
Q1:鉄筋爆裂とはどのような状態ですか?
A: 一般に、コンクリート内部の鉄筋が腐食し、鉄筋に沿ってひび割れや浮き、剥離、剥落が生じた状態を「鉄筋爆裂」と呼ぶことがあります。正式な劣化状態と範囲は、打診や鉄筋の露出状況などを調査して判断します。
Q2:天井からコンクリート片が落ちたらどうすればよいですか?
A: まず落下箇所の真下へ近づかず、人や車両が入らないようにしてください。残っているコンクリートにも浮きがある可能性があります。DIYで触らず、RC補修に対応できる専門会社へ早めに調査を依頼してください。
Q3:さびた鉄筋にモルタルを塗れば補修できますか?
A: 表面を埋めるだけでは再び剥離する可能性があります。劣化コンクリートの除去、鉄筋の腐食・断面欠損の確認、防錆処理、必要な補強、適合する断面修復材の施工が必要です。補修範囲は現地調査で判断します。
Q4:補修後に防水工事も必要ですか?
A: 雨水の浸入が腐食原因と考えられる場合は、断面修復と併せて上部床面や外壁、ひび割れ、排水部の防水対策を検討します。水の浸入口は剥落箇所と離れている場合もあるため、現地調査が必要です。
Q5:小さなひび割れなら経過観察でよいですか?
A: 幅だけでは判断できません。さび汁、浮き、鉄筋に沿ったひび割れ、コンクリート片の落下を伴う場合は、内部で腐食が進んでいる可能性があります。位置や進行状況を記録し、専門会社へ相談してください。